こんにちは!
Pです。
皆さん、ポケカ楽しんでますか?
拡張パック「超電ブレイカー」が発売されて10日ほど経ちました。
今のところ新規カードによる環境への影響はまずまずといったところで、シティリーグや自主大会においてはひとつ前の「楽園ドラゴーナ」環境で見られるデッキ群がほとんどそのまま活躍している状況です。
ご覧の通り、たくさんのデッキが環境にひしめきあっています。
どのデッキを選択しても技量次第で勝ちが見込める非常に良い環境であると言えるでしょう。
レギュレーションFはあと3ヶ月ほどでスタン落ちを迎えますが、その代表格である【ロスト】や【VSTAR】などもまだまだ健在です。
今回はそんな群雄割拠の環境デッキの中で、初心者から上級者まで多くのプレイヤーを魅了し使用率最上位に座するデッキ、「タケルライコex」×「オーガポンみどりのめんex」、通称【ライコポン】を紹介したいと思います。
◾️概要
◯基本戦術
「オーガポンみどりのめんex」の特性『みどりのまい』により、毎ターンの手貼り権とは別に草エネルギーを場に送り込むことができる。
これを利用して素早くエネルギーを場のポケモンに付けていき、「タケルライコex」のワザ『きょくらいごう』で相手のバトル場のポケモンを一撃で倒してサイドをどんどん取っていくのがこのデッキのコンセプト。
トラッシュしたエネルギー1つにつき70とダメージ倍率が高く、「リザードンex」や「ドラパルトex」などのHPが高い2進化exすら軽々と倒してしまう青天井の火力が魅力。
◯デッキの強み
【ライコポン】の強みは何と言っても「タケルライコex」の"対面性能"にある。
先述のとおり、高HPを誇る2進化exに対しても当たり負けせずきっちり倒し切ってくれるので、『きょくらいごう』を宣言できればほぼ確実にサイドを進めることができる。
V、exのポケモンを毎ターン倒してサイドを2枚ずつ取れる展開ならば、たったの3ターンで勝敗が決する。
その上で、標準的なたねexのHPが200未満から220、高くても230なのに対し、「タケルライコex」のHPは240とかなり高い。
「勇気のおまもり」を付けた状態ではHP290となるが、この数値はポケカにおける耐久ラインの指標となるHP280より10大きく、ドラゴンタイプ故に弱点もない。
これを一撃で倒せるポケモンはごく僅かだ。
相棒である「オーガポンみどりのめんex」の役割が単なるシステムポケモンに留まらないのも【ライコポン】のデッキパワーを大きく支えている。
特性でエネルギーが付くので逃げるための手貼りをする必要がなく、ワザを使うために必要な草エネルギー3つも、特性2回と手貼り1回だけでクリアできる。
ワザの火力自体は控えめだが、草タイプであることを活かして炎エネルギーが2枚付いた「リザードンex」に対し、弱点を突く『まんようしぐれ』で180×2=360ダメージ。
場からエネルギーをトラッシュすることなく一撃で倒すことができる。
また、アタッカーを用意するコストが低いのも魅力のひとつ。
デッキに入っているポケモンは全てたねポケモンのため、アタッカーもシステムも「ネストボール」、もしくは「夜のタンカ」からすぐにアクセス可能である。
デッキ自体の性質に目を向けると、『イキリテイク』、『みどりのまい』、『かくしふだ』、「オーリム博士の気迫」によるドローに加えて「大地の器」や「ポケストップ」なども効果的に使うことができ、デッキを掘り進めるスピードがとても早い。
「ペパー」や特性『マッハサーチ』などのように必要なカードを山札から直接持ってくることはできないが、山札を捲れば捲るほどそのターン中に必要な手札が揃いやすくなる。
それだけでなく、終盤に使わないグッズやエネルギーをトラッシュに送ることで、引きたいカードだけを手札または山札に残す(強い山札を作る)ことができる。
順調に山札の圧縮が進めば、「ともだちてちょう」と「ポケギア3.0」で相手の手札干渉からの復帰も狙いやすくなるだろう。
◯環境における立ち位置
【ライコポン】は環境においては速攻デッキに位置付けられる。
「オーリム博士の気迫」を使うことで『きょくらいごう』に必要なエネルギーを1ターンのうちに用意することができるので、後攻1ターン目から相手のバトルポケモンを倒していける。
これにより先攻2ターン目、もしくは後攻1ターン目に「ルギアV」や「レジドラゴV」といったVSTARの進化元を倒してテンポを崩したり、ベンチポケモンがいなければ種切れさせたりといった強い動きが可能である。
よって、序盤にHPの低いV、exポケモンが盤面に並びやすいたねex主体のデッキやVSTARを主軸に据えたデッキは戦いやすい相手と言えるだろう。
反対に、【ライコポン】は環境デッキの中では【リザードン】、【サーナイト】、【古代】に不利を取っている。
これは「かがやくリザードン」、「フワンテ」、「サケブシッポ」、「トドロクツキ」などを利用した、こちらはサイドを1枚しか取れないが、あちらはV、exを倒してサイドを2枚取ることができるという状況に弱いためである。
【リザードン】に関しては「リザードンex」の高耐久の突破自体は容易だが、「かがやくリザードン」に加えて『カースドボム』や「ブライア」でサイド枚数をコントロールできるデッキ自体の性質が何より厳しい。
また、【ライコポン】はベンチのポケモンにダメージを与えたり、ダメカンを乗せたりといった搦手を一切持たないので、「ポケモンキャッチャー」や「ボスの指令」、「テツノツツミ」の特性『ハイパーブロアー』などがなければバトル場のポケモンを倒す(もしくはあえて倒さない)ことしかできない。
それはある意味ではルート分岐による敗北を自動的に回避できるという強みでもあるのだが、要するにこのデッキは苦手とするゲーム展開をプレイングで覆せるだけの器用さは併せ持たない。
ミラーマッチがその典型的な例で、互いにexポケモンを倒し合う展開になるので、基本的には先にサイドを2枚取った方が勝つ。
このデッキが初心者にも好まれる訳は、そういう良く言えば単純明快、悪く言えば愚直なところにもあるだろう。
◾️注目カード
◯「勇気のおまもり」
「いれかえカート」もそうだが、場のポケモンの耐久値を伸ばすことの重要度が高まっている。
ポケモンのどうぐは「ポケストップ」でトラッシュに落ちてしまう上に回収も不可能と多めに採用するリスクは大きいが、2発目の『ファントムダイブ』によるサイド4枚取り、「かがやくゲッコウガ」に『カースドボム』を当ててサイド調整→「ブライア」、「イキリンコex」を呼び出されて簡単にサイドを2枚取られる、といったありがちな負け筋を回避するためには止むを得ないだろう。
◯「ブライア」
【ライコポン】は「ブライア」を効果的に使うことも可能である。
exが2体倒され、相手のサイドが2枚になったタイミングで使用可能。
サイドを1枚しか取れず、返しに2枚取られて負ける盤面を打開することができる。
展開によってはexポケモンを倒し、1-2-3とサイドを取って勝ちというルートを作ることも。
主に苦手対面で強く使えるカードで、ワンチャンスを掴むために1枚だけ採用されている。
0と1の差は大きい。
サイドを多く取るにはテラスタルである「オーガポンみどりのめんex」で倒さなければならないので、狙う際には前のターンの「きょくらいごう」で草エネルギーをトラッシュしすぎないよう注意。
◯「ジャッジマン」
【リザードン】を重く見た構築で採用される。
「ロトムV」の特性『そくせきじゅうでん』の返しに「ジャッジマン」からの『はじけるほうこう』が有効。
増えた相手の手札を流しながら自分は山札を掘り進めることで、相手が立て直しに手間取っている間に盤面を崩していく立ち回りをすることができる。
◯「ポケモンキャッチャー」
「オーリム博士の気迫」を使いつつ、コイントス次第で実質「ボスの指令」も使えてしまうのが強力な「ポケモンキャッチャー」。
これを2枚採用した【ライコポン】がPJCS2024で準優勝したのを皮切りに、今ではすっかり定番カードとなった。
2枚採用のリストが多かったが、最近では3枚採用が増えている。
この3枚目の役割は保険ではなく、最初の2枚で期待値的に表が出て、3枚目ではあわよくば2回目の表を狙っていく、といった認識だろう。
理想のサイドプラン(2-2-2)を通すために、こういった前のめりな構築で臨むことは理に適っている。
◾️入賞デッキレシピ
◯CL2025東京(オープン)優勝
◯シティリーグS1(オープン)優勝
◯シティリーグS1(オープン)優勝
人により数枚の差はあるが、リスト自体はほとんど固まってきている。
◾️今後の環境
◯天敵の出現
新弾が発売されても環境はあまり変わらなかったが、一枚だけ【ライコポン】の天敵ともいえるカードが登場した。
それはパックの顔である「ピカチュウex」だ。
特性『がんばりハート』により「きょくらいごう」による一撃必殺を防がれてしまう。
その上で、『トパーズボルト』の300ダメージは「勇気のおまもり」を付けた「タケルライコex」でも耐えることができず、性質上不利がついてしまう。
これに対する【ライコポン】側の回答としては、従来のリストに採用されていた「スナノケガワ」を「チヲハウハネ」に差し替えることが挙げられる。
しかし、その場合は「ミミッキュ」の特性『ふしぎなまもり』の突破に闘エネルギー2枚を要求される、ワザを2回撃つときぜつしてしまう、といったデメリットとも向き合う必要がある。
「ピカチュウex」はまだ研究が進んでおらずシティリーグの入賞も少ないが、今後何らかの形で環境に大きく食い込んできた場合、【ライコポン】を脅かす存在になるのは明白だろう。
◯新デッキの躍進
新弾のカードではないが、相性の良いカードを手に入れたことで突如として環境デッキ入りを果たした【ガケガニ】。
「かがやくヒスイオオニューラ」と「くさりもち」を揃えた上での『ヒステリックシザー』は、「ダブルターボエネルギー」をつけても毒ダメージ込みで240ダメージが出る。
ポケモンチェック中の毒によるきぜつなので「キチキギスex」も使えない。
にも関わらず倒してもサイドが1枚しか取れず、【ライコポン】は苦戦を強いられてしまうだろう。
どうしても厳しければ、exでない「タケルライコ」を採用してみるのも一つの手かもしれない。
逃げエネの重い「アラブルタケ」をバトル場に呼び出しつつ『らくらいあらし』でベンチのポケモンを倒していければ、厳しいサイドトレードの状況を覆すことができそうだ。
◾️まとめ
環境トップを走り続ける【ライコポン】。
山圧縮、リソース管理、サイドプランなど、ポケカ上達のための基礎を学べるだけでなく、回していて楽しいデッキでもあるので初心者の方にもオススメできるデッキです。
ポケカを始めてみたいという方は、是非組んでみてください!
Writer : P