こんにちは!
Pです。
私事ですが、先日参加したシティリーグで優勝することができました!
使用したデッキは【カビゴンLO】です。
環境読みがバッチリハマり、要所要所で運も味方して、苦しい戦いばかりでしたがなんとか勝利を掴みました。
優勝後に別件で解説記事を出したのですが、今回ありがたいことにトレカハック様からその記事について触れることを快く許可していただきました。
よって、この場を借りて宣伝させていただきます。
シティリーグに参加される方にとっては要対策デッキだと思います。
是非ご一読ください!
さて、本題に戻ります。
今回紹介するのは【サーナイト】デッキです。
Eレギュレーション時代にも猛威を振るっていたこのデッキ。
強力な特性を持つ「マシマシラ」を携え、今なお環境上位の一角を担っています。
多くのプレイヤーに親しまれる人気デッキながら、そのプレイ難度は最高峰。
サーナイトマスターを目指すために、まずは基礎知識からおさらいしていきましょう!
◾️概要
◯基本戦術
「サーナイトex」の特性『サイコエンブレイス』は、自分の場の超ポケモンに対してダメージと引き換えにトラッシュから好きなだけ超エネルギーを付けることができる。
状況に合わせて様々な超タイプのアタッカーを使い分け、中盤から終盤にかけての追い上げでサイドレースを制すのがコンセプトとなっている。
◯アタッカー一覧
クレセリア
「ドラパルトex」のワザ『ファントムダイブ』などで乗せられたダメカンを相手のポケモンに返すことができる。
エネルギーの管理はやや難しくなるが、『サイコエンブレイス』で乗せたダメカンを利用してさらに火力を伸ばすことも可能。
マシマシラ
特性だけではなく、ワザも混乱付与で逃げエネの重い相手のアタッカーに二択を強いることができて便利。
『サイコエンブレイス』が無くとも手貼りだけでワザを撃てるのが魅力。
ハバタクカミ
ベンチにダメカンを置く効果により相手のポケモンのHPの調整ができる。
対【リザードン】では『デヴォリューション』の布石として重宝する。
「ビーダル」や「セグレイブ」などをバトル場に呼び出して特性を封じながらワザを撃ち込むのが強力。
フワンテ
補正なしでも『サイコエンブレイス』3回で180ダメージと、倍率の高さゆえに大ダメージを与えることができる。
「勇気のおまもり」込みで最大330ダメージ。
サケブシッポ
こちらはダメージ倍率は少し低いが、「フワンテ」と違いベンチにもダメージを与えることができる。
逃げエネの重たいシステムポケモンを呼び出してベンチを狙うことで複数体を倒せる。
ミミッキュ
特性を盾に、【リザードン】や【ライコポン】相手に『エヴォリューション』を撃つ時などに役に立つ。
「マシマシラ」同様、手貼りでワザを撃てると後々の詰めが楽になる。
サーナイトex
そのままだと若干火力不足だが、『アドレナブレイン』のダメカン乗せと合わせて220ダメージになるのでたねexも倒すことができる。
このデッキの中では耐久がずば抜けて高いので、相手の攻撃を耐えてサイドを取られないターンを作るために前に出ることもしばしば。
◯デッキの強み
【サーナイト】の強みは"手数の多さ"。
撃てるワザの種類が他の環境デッキと比べてかなりに多く、先にも述べた通り状況に合わせてアタッカーを使い分けることができる。
たねポケモンであれば「ボウルタウン」や「ネストボール」で山札から呼び出し、『サイコエンブレイス』ですぐさまアタッカーとして前線に送り込むことが可能だ。
Eレギュレーションがスタン落ちし、『アルカナシャイン』の「サーナイト」を失った後の【サーナイト】は、「フワンテ」や「サケブシッポ」にHPを上昇させるどうぐを付けて相手のV、exポケモンを倒し、1:2のサイド交換を仕掛けていくのが主流だった。
しかし「変幻の仮面」で「マシマシラ」が追加されると、『アドレナブレイン』によって特性でダメカンを乗せて倒しつつ、続けてワザでさらにもう一体倒すことで、1ターンのうちに複数体倒すことが容易になった。
これにより大型だけでなく非exで戦ってくる相手に対しても戦いやすくなり、一気に戦略の幅が広がった。
きぜつ寸前までダメカンを乗せて特性で落とす。
一見すると回りくどいように思えるが、ポケカには「カウンターキャッチャー」、「ナンジャモ」、「キチキギスex」、「アンフェアスタンプ」などのように、こちらがサイドを積極的に取ることによって相手にメリットが生じるケースがある。
【サーナイト】にも「カウンターキャッチャー」が1〜2枚採用されており、相手よりもサイドを進めてしまうと、その使用権をみすみす手放すことになってしまう。
プランが複雑になりはするが、目先のサイド取得に釣られずにじっくりと詰めていくのがこのデッキを回す上でのポイントとなる。
◯環境における立ち位置
【サーナイト】は、言うなれば後の先を取るコントロールデッキに分類される。
「キルリア」の特性『リファイン』でドローを進めてデッキを圧縮し、サイドを取られた返しに手札干渉をはさみながら反撃のための準備を進めていく。
「カウンターキャッチャー」や「ナンジャモ」はまさにその戦術を色濃く表すカードであり、サイドレースを制するのはいかにこれらを上手く使えるかどうかに掛かっている。
【サーナイト】のアタッカーとなるポケモンはサイドを1枚しか取られない非exポケモンがほとんどなので、環境最上位の【ライコポン】に有利がついている。
しかしそれは裏を返せばHPの低いポケモンばかりがベンチに並ぶということであり、『カースドボム』、『トライフロスト』、『げっこうしゅりけん』といった強力な2面取り、3面取りに対して非常に脆い。
それらを内包したデッキを相手取る場合、立て直しが困難になる程の痛手を受けてしまうことのないよう慎重な立ち回りが求められるだろう。
環境の高速化により風向きはやや悪くなったが、持ち前の対応力と、自らの土俵に持ち込んだ時の圧倒的な制圧力により、環境上位デッキとしての地位を不動のものとしている。
◯環境デッキとの相性表
『カースドボム』を使うデッキに先手を取られてしまうと2ターン目に「ラルトス」、「キルリア」を狩られてしまい厳しい展開となる。
サイドを複数枚取れない【ライコポン】以外の環境上位に対しては、理想ムーブを押し付けられて為す術なくやられてしまうことも多い。
反対に、環境下位の中耐久exポケモン主体のデッキ群に対しては軒並み優位に立ち回れる。
◾️注目カード
◯「夜のタンカ」と「基本悪エネルギー」
「すごいつりざお」と「夜のタンカ」とで2:1といった枚数配分が多かったが、ここが逆になることが増えてきた。
「夜のタンカ」は倒された「キルリア」や「サーナイトex」を拾って盤面に復帰させたり、「マシマシラ」用の悪エネルギーを拾ったりと、「すごいつりざお」と比べて一度に動かせる枚数こそ少ないものの、即効性があって小回りが利く。
さらに3枚目の悪エネルギーを採用して「マシマシラ」を起動しやすくするのが最近のトレンド。
【サーナイト】の出力は、今や『アドレナブレイン』ありきと言っても過言ではない。
1枚サイド落ちしてもきっちり2面起動できるように構えることで、デッキパワーの底上げを図っている。
エネルギーの総数を増やすことで序盤の『エヴォリューション』を安定させたり、【カビゴンLO】に対して少しだけ立ち回りやすくしたりといった細かいメリットもある。
◯「ワザマシン デヴォリューション」
『アドレナブレイン』や『たたりとばす』で相手の進化ポケモンにダメカンを蓄積させていき、退化させることで進化元をきぜつさせ、一度に2体、3体と倒すことができる。
その際「クレッフィ」で『デヴォリューション』を撃つことで、「キチキギスex」の『さかてにとる』を起動させないといった細かいギミックも有効。
【リザードン】や【ドラパルト】を重く見ての2枚採用が散見されるが、やはりポケモンを進化させないたねex主体のデッキ対面においては全く使えないカードになってしまうため、あくまでサブプランとしての採用に留めておく方が良さそうだ。
【リザードン】側も戦線の要である「ピジョットex」を守るため、「ミストエネルギー」で対策を取っているケースが多く見られる。
「改造ハンマー」の採用があれば、それすら退けることができるだろう。
◯「勇気のおまもり」
「フワンテ」や「サケブシッポ」に持たせる定番のどうぐ。
「ワザマシン デヴォリューション」などと枠を競合するため1枚採用がスタンダードになりつつあったが、最近ではまた以前のように2枚採用されているケースが増えてきた。
というのも、「タケルライコex」や「レジドラゴVSTAR」などの大型に対し「フワンテ」+「勇気のおまもり」による300ダメージをしっかりと通すことが求められているためである。
デッキに1枚採用のカードがサイド落ちする確率は10%だが、2枚採用した場合には1%を切る。
安定感を重視するなら積極的に2枚目を採用したい。
また、一見HP上昇が無意味なように見える【カビゴンLO】対面においても、「ラルトス」に付けてHPを上げた状態で『サイコエンブレイス』を4回使い、「キルリア」に進化させてきぜつさせる、通称ラルトスボムのために必要になる。
これらの理由から、厚く採用しておくとしっかりと役に立ってくれる。
◯「マナフィ」
「マナフィ」を2枚採用した【サーナイト】がシティリーグS1で優勝した。
これは【レジドラゴ】の『トライフロスト』による盤面崩壊を防ぐことに特化したもので、「クレッフィ」不採用かつ2体同時に立てることで「キャンセルコロン」をも対策することができる。
もちろんベンチの枠はかなり厳しくなるが、こうでもしなければ不利対面の強い動きは止められないのかもしれない。
「クレッフィ」、「シャリタツ」、そして「マナフィ」。
このあたりの枚数配分は使用者の性格や理論が現れていて面白い。
◾️サンプルリスト
◯CL2025東京(シニア)優勝
◯シティS1 優勝
◯シティS1 優勝
◾️今後の環境
◯高速化する環境
速攻系のデッキといえば後攻1ターン目にワザを撃って前を倒すものを思い浮かべるが、特性『カースドボム』の登場により、先攻2ターン目から複数のポケモンを倒していくことをコンセプトとするデッキが台頭している。
特に「ヨノワール」のそれは130ダメージと規格外で、【サーナイト】にとって最も回避すべき「キルリア」の盤面からの排除を容易にしている。
後攻1ターン目に『エヴォリューション』で「キルリア」が2体並べたとしても『カースドボム』と裏呼びであっという間に倒されてしまう。
これでは「サーナイトex」に進化するのも一苦労だ。
【サーナイト】がこれを乗り越えるには、『カースドボム』が使われる前までに「キルリア」を少なくとも3体は並べておかねばならない。
これが先攻を取りたい一つ目の理由だ。
◯たね切れの恐怖
先攻を取りたいもう一つの理由は、たね切れを防ぐためだ。
【ガケガニ】の「モモワロウ」は、毒ダメージを大幅に上昇させる特性によって先攻1ターン目に相手のたねポケモンをきぜつさせることが可能である。
そのため、HPの高い「クレセリア」と「マシマシラ」、特性『もうどくしはい』を打ち消すことができる「クレッフィ」と「ハバタクカミ」以外のポケモンでスタートしてしまうと、相手の先攻1ターン目に毒ダメージできぜつさせられて最悪の場合はそのままゲームに負けてしまう可能性がある。
相手のデッキがわからず、なおかつ後攻スタートの場合、毒ダメージで倒される可能性のあるポケモンを前に出す時は必ずベンチに2体目を置くようにしたい。
◾️まとめ
解説は以上になります。
【サーナイト】はプレイング次第で劣勢からの大逆転が狙える、ポケカの魅力的な部分がたくさん詰まった良いデッキです!
上級者への道のりとして挑んでみてはいかがでしょうか?
Writer : P