トレカHACK トレーディングカードを
もっと楽しく。

シャドウバース

【GP千葉10位】荒野2コスナイトメア解説記事【シャドウバースエボルヴ】

景品表示法に基づく表記:当サイトのコンテンツには商品プロモーションが含まれています。

こんにちは、F野です。

前回の環境考察記事では、たくさんの反響、コメントいただきありがとうございました。
今回はGP千葉で自分が使用し10位入賞した【荒野2コスナイトメア】を紹介します。

上記の記事で紹介した上位デッキ全てに有利がつき、多数の細かいテクニックがある回していて楽しいデッキになります。

2コストのカードが追加されるたびに強化が期待されるので、環境が変わっても活躍する可能性が高いデッキです。
是非ご覧いただけますと幸いです。

この記事の目次

デッキ発見~調整までの流れ

各主要デッキをある程度回し【かげろう】、【秘術ウィッチ】が頭一つ抜けているという所感を得ました。また、【吸血鬼ナイトメア】が擁する《アイシィ》+《ゼルガネイア》+《ローズクイーン》のパッケージは強いと感じつつも、デッキ基盤の脆さからコレジャナイ感を感じました。

そんな中、どこかのCSで【2コスナイトメア】が入賞しているのを確認しました。
強いと感じていた前述のパッケージが無理なく採用できるため、ワンチャンあるのではないかと思い自分なりに組み替えて回してみることにしました。以下が当時のリストです。

【かげろう】、【秘術ウィッチ】、【荒野ロイヤル】とぶつけ、この時点で全てに勝ち越していたのでかなりの手ごたえを感じていました。特にハンデスが各種対面に有効で、そもそも総量を減らすだけでやられる側は苦しいという知見を得ました。

課題は《片翼の悪魔・ピユラ》のランダム要素による出力のブレ、《沈黙の絶傑ルルナイ》プレイターンに盤面に1面しか触れないこと、《異界を統べる者》の出力ムラでした。

そんな中調整メンバーから「基盤強いから《異界》以外運ゲー要素全て抜けばよいのではないか?」という発案があり、試してみたところやりたいことと完全に適合。《異界》が抱えていた出力ムラの課題も限りなく抑えることができ、今回環境の中心に居た【かげろう】、【秘術ウィッチ】、【荒野ロイヤル】、【荒野ナイトメア】全てに有利主張できるリストに仕上がりました。

デッキ自体の発見はGP3週間前、デッキ構築の方針は2週間前にほぼ固まっていたため、残りの期間は細かい検証や調整に時間を割くことができました。

デッキリスト、基礎採用

【デッキリスト】

【デッキの本質】

除去コントロールデッキです。相手の攻め手を各種除去で弾き、《カオスルーラー・アイシィレンドリング》を着地させリソースを奪います。終盤は《真紅のローズクイーン》で相手が削りきれないライフ圏まで回復をし、安全確保したうえでライフを削り切ります。

【先後選択】

全対面後攻。EPと+1枚の価値高く、どの対面でも後攻を選択します。

【ゲームプラン】

序盤:徹底的に盤面除去をしてライフを守ります。どちらもするのが理想だが、盤面除去の方が優先です。

中盤:《アイシィ》、《異界》、《ゼルガネイア》でリソースを確保しながら相手の攻め手をいなし、隙あらば《魔導列車》でライフを詰めプレッシャーを与えます。

終盤:1枚目の《ローズクイーン》で盤面処理&ライフ回復、この時に《轟》を絡めると相手の攻め手を潰せます。2枚目や10 《ゼルガネイア》着地でリーサルします。

デッキ解説

《デッドペナルティ》3

世界最強の《エンジェルスナイプ》。スペックは語る必要ないので、このデッキでの使い方を説明します。

このカードの存在で《異界を統べる者》のバリューは跳ね上がりました。従来は《異界》で4点出ないと処理漏れが発生してしまうため構築の制約がありました。このカードの登場により処理漏れした対象をアクトできるため、《異界》自身のアタックで安定して盤面の全処理ができるようになりました。

ゲームの展開や《異界》の5枚落下で《アイシィ》+《デッドペナルティ》を落とすことはある程度現実的であるため、プランとして採用しました。

また終盤のケアにおいて優秀であり《ジエンド》の2回攻撃を計4点下げるなど、どのレンジでも腐らない1枚です。

《バロン・ダブルフィール》3:1

序盤の盤面処理要員。1枚落下が沁みる。後手2で投げるのは【荒野ロイヤル】対面くらいで、基本的にはEPを温存して運用する方が後半にゲームしやすくなります。

このデッキにおいては2コストであることで最低限仕事することと、《アイシィ》のコストにすることができるため、進化後の2枚目は10《ゼルガネイア》に枠を譲りました。

《放浪する料理人》3:1

ライフ回復&各種「荒野」カードサーチ要因。
ライフを高水準に保ち《アイシィ》に触れることが重要なデッキであるため、このようなカードはありがたいです。

後半は《真紅のローズクイーン》と絡めると4回復するカードになるため、ライフを安全圏に戻すときに重宝します。
進化せずとも十分役割があるため、進化後は1枚採用です。

そこまでサーチ対象が多いわけではないので、スカっても怒らないようにしましょう。

《ワイルドリザード》3

優秀な「荒野」フォロワー。

登場時に設置できる《起動二輪車》のおかげで、《ゼルガネイア》や《異界》の運用がしやすくなりました。

ラストワードで設置できる《従順な駿馬》もリーサルや《魔導列車》のサイズアップによるクイックケアに貢献するため、無駄がない1枚です。

《地獄の解放者》1

中盤以降のリソースゲームに大きく貢献する一枚。

《アイシィ》、《異界》経由で複数回使うことも出来るため、《ローズクイーン》等の強力なカードを連発したいときに重宝します。中盤以降1枚抱えておくとゲームプランの幅が広がります。

稀に後手5で《尖兵》を回収してプレイする動きがあるため、頭の中に入れておきましょう。

《烈火の魔弾》3

クイック除去枠。《デッドペナルティ》と合わせて《魔導列車》を破壊できることを覚えておくとたまに使います。

《夢のささやき》3

クイック除去枠。1枚落下が沁みる。対面によって《魔弾》とケア範囲が違うので、中盤以降手なりでプレイしないよう注意。こちらは《ライリー》や巨大化した《ララミア》まで処理できるのが優秀。

《糸蜘蛛の放射》3

ハンドを減らさずに疑似除去できる1枚。5コスカードは縦引きをする必要があるため、キャントリップ性能はありがたいです。

《魔導列車》と相性がよく、ケアで縦置きしてきた相手に対して有効です。
特に【秘術ウィッチ】対面に有効で、《ライリー》を盤面に縛り付けてプランを崩したり、《エンシェントアルケミスト》の打点を-3することができます。

が、攻めっ気の強い【荒野ロイヤル】や【かげろう】に対しては打てる場面が序盤にないことがあります。
無理に序盤に使うと結局処理漏れすることがあるので、1枚《消えぬ怨恨》に変える選択肢があったなと終わった後に感じました。

《轟》3

序盤は3点除去、中盤以降は除去+ハンデスとして運用します。

一度《異界》を経由し、墓場の枚数を増やしつつこのカードを回収するのが理想の動きです。

特に《ローズクイーン》と絡めたときのバリューが高く、《アイシィ》である程度ハンドを削った後にハンデス+2回復をしようものなら相手のプランはズタズタになります。

【かげろう】や【荒野ロイヤル】のような終盤のハンドの質が重要なデッキに対して狙っていきたいプランです。

《天界の尖兵》3:2

今期の優秀な消滅除去枠。コスト参照なのがとにかく優秀で、2面処理でテンポ回復をすることができます。

《バー》、《ドラゴニック・オーバーロード》、《ライリー》、《ケリドウェン》等の曲者の処理を一手に引き受けてくれます。

進化してナンボのカードなので、進化後は2枚採用。

《カオスルーラー・アイシィレンドリング》3:2

三種の神器①。エボルヴ界の中でも屈指のパワーカード。「巨人」にふさわしい1枚です。

このデッキにおいては除去、回復、ハンデスはもちろん、2コストの回収により疑似的な《異界》的な役割を果たしてくれます。これにより《異界》への依存度が下がり、デッキの自由度が上がりました。

注意しないといけないのは、進化時にフォロワーが墓場に2枚無いと回収効果が使えないことです。序盤にスペルの除去を吐きすぎてしまうと後手5、6tに回収効果を使えずに上手く盤面除去ができない可能性があります。敢えて《ワイルドリザード》を立てたりするプレイがある事を覚えておきましょう。

《異界を統べる者》3:1

三種の神器②。《アイシィ》のおかげで以前より格段に使いやすくなった1枚。今期は横展開をするのであれば体力2~3のフォロワーが多く、今回の構築の2コスト採用枚数22枚で概ね事足ります。

手動で100回異界しました

上記は手動検証値ではありますが、90%くらいの確率で2コストが2枚以上捲れます。(《異界》を除いた39枚から5枚捲る検証、別途確率計算も行いましたが概ね結果は同じでした)
4枚捲りの期待値も30%弱ほどあり、不利な状況を捲るために託すには十分な確率です。

《起動二輪車》や《アイシィ》+《デッドペナルティ》等のサポートもあり、このカードで盤面リセットをして自分の得意なレンジに持ち込むことができます。

また、進化時効果で5宣言をして《アイシィ》、《異界》、《ゼルガネイア》を回収することもあります。(特に《アイシィ》に触れていないゲームでやることが多いです)

《《世界》・ゼルガネイア》3:1

三種の神器③。

《魔導列車》と相性が非常によく、攻め込まれてもこのパッケージで捲ることができます。このカードを警戒して横展開をしようものなら《異界》が突き刺さってしまい、常に裏拓を押し付けられるのがとても嚙み合っています。

このデッキはアドバンス側がうまく使用できるデッキでもあり、ライフを高水準に保ち各種クイックを構えて体力6以上のフォロワーを削り、安全に10《ゼルガネイア》を着地させることができます。

着地するとすぐに勝敗が決してしまいがちな10《ゼルガ》ですが、このデッキであれば数ターン残っていることがあるのでGP版にし得です。

《真紅のローズクイーン》3:2

フィニッシャー。基本的に後手7tにこのカードを投げることでライフゲインをして相手を詰ませ、2発目の《ローズ》でリーサルします。理想ターンにこのカードが着地できるよう、ハンド、EP管理をしましょう。

■リーサルパターン

《ローズクイーン》+3PP=《魔導列車》+《薔薇の一撃》=9点

以後、2PP毎に+2点
《起動二輪車》、《従順な駿馬》1枚につき+1点
(=《ワイルドリザード》は3点分の価値)
10《ゼルガネイア》セット中であれば+4点

【理想】

《ローズ》+7PP=《魔導列車》+《薔薇の一撃》×2+《2コス》=16点
↑相手14点時に《デッドペナルティ》を1枚構えられていてもケアできるレンジ

マリガン、ゲームプラン

※以下マリガンは左から優先順位高

■VSかげろう

マリガン:《アイシィ》、《ゼルガネイア》、《尖兵》、《バロン》、

基本戦略に忠実に戦う。序盤の処理漏れが一番の負け筋なので、多少ライフで受けてでも盤面処理を優先する。《ネハーレン》や《バーサーク》についでに《バロン》や《尖兵》を処理されるのが勿体ないので、敢えて3/3に殴らせて相打ちを狙うプレイがある(EP温存にもつながる)

後手6tで《アイシィ》+《魔導列車》で盤面を処理する展開を目指す。

中盤以降は相手の攻め手よりこちらの処理・回復能力が高いため、相手の手札の質がよほど高くない限りはまず負けない。できるだけEPを温存し、後手7tに《ローズクイーン》を投げるための受けを作りたい。

■VS秘術ウィッチ

マリガン:《尖兵》、《ゼルガ》=《アイシィ》、《異界》

【かげろう】より盤面に対する圧が低いが、《ファウスト》+《サモンサークル》×2が返せない展開のみ負けかねない。受けとして後手4tにPPを余らせて《魔弾》や《ささやき》を構え、《ゼルガネイア》や《アイシィ》で《防御型ゴーレム》を1面残すような処理を意識するとその後の展開で押し込まれないような状況を作れる。

PPが余らせることができない状況であれば《バロン》や《尖兵》を3/3で立てておき、《防御型ゴーレム》がアクトされた場合当たれるように構えておく。

また、《ライリー》や《ケリドウェン》を消滅させてしまえば機能不全を起こすため《尖兵》が有効。《糸蜘蛛の放射》がうまく使える対面でもあり、盤面に縛り付けることにより《エンシェントアルケミスト》から出るバーストダメージを-3することができる。

■VS荒野ロイヤル

マリガン:《バロン》、《デッドペナルティ》、《尖兵》、《異界》、《魔弾》or《ささやき》

序盤の横展開の処理漏れ+《ナハト》生存以外はまず負けないため、《バロン》や《尖兵》でしっかり対応していきたい。《魔導四輪車V》をクイックで弾くことができれば攻め手が急に緩くなるため、可能であれば狙っていきたい。

《ララミア》絡みで大量打点を入れられるのが負け筋ではあるので、終盤は《ささやき》を構えつつプレッシャーを与える展開にするのがベスト。

■VS荒野ナイトメア

マリガン:《アイシィ》、《ローズクイーン》、《ゼルガネイア》

基本的にはリソース優先で立ち回る。相手が面展開をしてくるようであれば、リソースを損ねない程度に捌く。

《魔導列車》着地後は操縦→殴り合いになり、ライフが2ずつ変動していく。盤面1体の時に《ゼルガネイア》を投げると列車の2回復分損するので、できれば《アイシィ》、《ローズクイーン》経由で操縦したい。

《ローズ》から《薔薇》セット+操縦→《アイシィ》進化《ローズ》回収+操縦→《ローズ》進化5PP以上回復→《薔薇》+《薔薇》+操縦で14点リーサルが一番狙いたい展開となる。

また、《魔導列車》の殴り合いの時に3PP浮かせていれば《デッドペナルティ》+《魔弾》で処理できるため、チャンスがあれば狙っていく。逆に相手に構えられた場合は《ワイルドリザード》経由で《駿馬》をセットし、5/6にすることでケアをする。

ライフが削りきれるレンジでない場合は、9tに1~3PP構えて相手の体力5以上のフォロワーにクイックを撃ち、10《ゼルガネイア》を着地させる。

《魔導列車》を立てることが優先であるため、後5で進化せず《アイシィ》を投げるのはアリ(弱いフォロワーを回収するくらいなら後引きの《アイシィ》で使用した方がよい)

■VS《自然ロイヤル》、《超越ウィッチ》

マリガン:それぞれ【荒野ロイヤル】、【秘術ウィッチ】想定

《ブレイブ・マナ》、《魔力の蓄積》が見えたら走って逃げる。

戦績

1回戦 リーシェナウィッチ後○
2回戦 秘術ウィッチ後○
3回戦 超越ウィッチ後×
4回戦 荒野ビショップ後○
5回戦 荒野ロイヤル後○
6回戦 かげろう先○
7回戦 秘術ウィッチ後×
8回戦 かげろう後○

DAY1 6-2

9回戦 かげろう後○
10回戦 かげろう後○
11回戦 コントロールナイトメア後○
12回戦 かげろう後○
13回戦 吸血鬼ナイトメア後○
14回戦 かげろう後×
15回戦 かげろう後○

DAY2 6-1

12-3 10位

役割対象であった【秘術ウィッチ】、【かげろう】に対してゲームプランのミスと甘いマリガンで落としてしまい、惜しくも10位敗退。どちらも《ゼルガネイア》の2枚目があれば…という試合でしたが、それは求めすぎかなと思っています。

ちなみに今回のGPから上位8名にJCS権利獲得者がいた場合繰り下がりが発生する仕様になりました。

オポネント差0.001で破産しました。

おわりに

自分は惜しくもTOP8は逃してしまいましたが、環境に対して良いアンサーを出せたと考えています。自信があっただけにとても悔しいです。また一から頑張ります。

今回のGPは前環境と打って変わってとんでもない雑多環境でした。下手したら20種類くらい戦えるアーキタイプが存在していると思います。優勝したのも予想外の【超越ウィッチ】であり、今環境がいかに混沌としていたかが分かります。

かといって当たり運ジャンケンではなく、構築力やプレイが求められるため、TCGとして理想的な環境であったと思います。

来期以降も「自然」や「機械」などの既存アーキタイプが強化される流れが続きそうなので、これまでの自分の思い入れのあるデッキが使えそうで嬉しいです。

自分の今回の記事がエボルヴの今後の発展に寄与できていれば幸いです。

以上、ご拝読ありがとうございました。

当記事に使用しているカード画像は、Shadowverse EVOLVE公式サイト(https://shadowverse-evolve.com/)より、ガイドラインに従って転載しております。該当画像の再利用(転載・配布等)は禁止しております。© Cygames, Inc. ©bushiroad All Rights Reserved.

この記事を書いたライター

F野

【主な実績】 2022年度 ■GP京都:プレーオフ進出(ベスト64) ■GP横浜:DAY2進出(147位) ■GP名古屋:DAY2進出(20位) ■GP大阪:準優勝 ■JCS:13位 2023年度 ■GP千葉:ベスト4 ■GP大阪:DAY2進出(34位) ■GP千葉:DAY2進出(81位) ■GP大阪(トリオ):準優勝 ■JCS:ベスト8 2024年度 ■GP東京(トリオ):予選落ち ■GCS静岡(トリオ):ベスト8 ■GP名古屋:DAY2進出(20位)

取り扱い可能な カード種類から探す